子どもの癇癪とは

子どもの癇癪とは、激しく泣き喚いたり奇声を発する状態のことを指します。
感情のコントロールが難しい時に起こるのが、この癇癪です。

癇癪状態にある子どもには、次のような行動が見られます。

・地べたにひっくり返って泣きわめく
・物にあたる
・他人に暴力行為を振るう
・自傷行動に出る

癇癪は、子どもにとって不都合に思えることを除去するためのものです。
例えば、自分の思うように物事が運ばなかった時、癇癪を起こすことによってその不都合をかき消そうとしているのです。

側から見るとただ感情を爆発させているだけに見える癇癪ですが、実際には癇癪を起こす原因があって、それを取り除くための手段として癇癪を起こすことで問題を解決しようという、グループ化された行動なのです。

癇癪を起こしている本人も、自分の感情を抑えることができずに困っている場合があります。

子どもが癇癪を起こした時には、「困っているというサイン」、「不都合なことを除去しようとしている」この二点を念頭に入れて対処しましょう。

子どもが癇癪を起こす理由

赤ちゃんが癇癪を起こす場合、その理由は生理的な反応によるものです。
「お腹が空いた」「オムツを替えてほしい」「眠たいのに眠れない」「痛い」などの不快感を癇癪によって表現しています。

赤ちゃんが起こす癇癪によって、保護者は必要に応じた世話をします。
この関わりによって、赤ちゃんはコミュニケーションを覚えていきます。

そのため、赤ちゃんの起こす癇癪は無視せずそこに隠された要求を読み解くことが大切です。

1歳以降になると、保護者と自分との間に要求の差異があることに気がつくことになります。
ここで不都合を避けるために、子どもは癇癪を起こすことになります。

2、3歳になると言葉を用いて適切に自分の主張をすることができるようになりますが、言葉を覚えていない乳幼児の段階では、癇癪を起こすしかありません。

この時、癇癪によって状況が好転する経験をした場合、言葉を覚えてからも癇癪を起こすことをコミュニケーションの手段として用いるようになってしまう場合があります。

癇癪と発達障害の関係性と防ぐための心がけ

気持ちのコントロールが困難であること、他者と自分の意見をすり合わせることが苦手であること、言葉に遅れがあること、この3つは、発達障害のある子供に見られる傾向です。

これらの傾向が癇癪を起こしやすくしていると考えられます。

癇癪を防ぐには、先の見通しを立てて声かけをして精神状態を落ち着かせること、絵を書いたカードを用意するなどして感情を伝えるためのツールを与えること、落ち着くための方法を一緒に考えることなどが有効です。

それでも子どもが癇癪を起こしてしまった場合には、子どもの安全を確認して落ち着くまで待ちましょう。
無理に物を使って癇癪を抑えようとすると繰り返す原因にもなるので控えるべきです。

時間が経って子どもが落ち着いたら、クールダウンできたことを褒めてあげるようにしましょう。
感情的に叱るのは子どもを混乱させることにつながるため、良い対処法とは言えません。