障害者手帳とは

障害者手帳とは、障害のある人が取得することのできる手帳のことです。
手帳を取得することで、障害の程度や種類に応じて、様々な福祉サービスを受けることができます。

一般に、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のことを総称して障害者手帳と呼称します。

身体障害者手帳とは

身体障害者福祉法に基づいて作られた、身体障害のある方の自立や社会活動を促し支援するための手帳です。
取得することができるのは、身体障害者福祉法に定義された身体障害の種類や程度に該当し、一定以上持続している人に限ります。
都道府県知事や指定都市市長、中核都市市長が交付するものです。

療育手帳とは

療育手帳制度は法律で定められた制度ではありません。
「療育手帳制度について」というガイドラインに基づいた制度です。
知的障害のある人が一貫した療育や援護を受けられることを目的としています。

取得できるのは、児童相談所または知的障害者更正相談所で知的障害であると判定された人に限ります。
都道府県知事や指定都市市長が交付します。

精神障害者保健福祉手帳とは

精神保健福祉法に基づいて、長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある人の社会復帰・自立支援を目的として作られたものです。
精神疾患によって生活に支障がある方が取得できます。
都道府県知事や指定都市市長が交付します。

身体障害者手帳の対象となる疾患や障害・申請方法

身体障害者手帳の対象となる障害や疾患は以下の通りです。
・ 視覚障害
・ 聴覚又は平衡機能の障害
・ 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
・ 肢体不自由
・ 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
・ ぼうこう又は直腸の機能の障害
・ 小腸の機能の障害
・ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
・ 肝臓の機能の障害

これらは7つの障害程度等級に分けられており、6級以上の場合に手帳が交付されます。

身体障害者手帳は、申請してからおよそ1ヶ月で交付されます。
区市町村の障害福祉担当窓口で説明を受け、医療機関に身体障害者診断書・意見書を作成してもらったあと、申請をするという流れになります。

療育手帳の対象となる疾患や障害・申請方法

18歳未満の人は児童相談所で、それ以上は知的障害者更正相談所にて知的障害と判断された 場合に交付されます。
障害の程度は、IQや日常生活動作を総合的に見て判断します。

療育手帳は、通常は、判定されてから1ヶ月程度後、郵送などで通知されます。
まず区市町村の障害福祉担当窓口に相談して、相談所に判定の予約を取ります。
その後、面接や聞き取り調査で判定をするという流れになります。

精神障害者保健福祉手帳の対象となる疾患や障害・申請方法

精神障害によって、長い期間日常生活または社会生活への制約がある場合に申請できます。
次はその一例です。なお、障害の程度によって3つの等級に分類されます。

・統合失調症
・うつ病、そううつ病などの気分障害
・てんかん
・薬物やアルコールによる急性中毒またはその依存症
・高次脳機能障害
・発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
・その他の精神疾患(ストレス関連障害など)

精神障害者保健福祉手帳は、初めて病院で診察してから6ヶ月経過しないと申請することができません。
通常は、提出した書類を審査にかけてから2ヶ月程度で発行されます。

まず区市町村の障害福祉担当窓口にて説明を受け、申請に必要な書類を揃えてから再度障害福祉担当窓口に出向いて申請をするという流れになります。