療育手帳とは

療育手帳とは、都道府県や政令市例としによって、知的障害者に発行される手帳のことです。
平成21年度末の統計では約81.6万人が交付を受けている療育手帳は、知的障害のある方が一貫した療育や援護を受けられることを目的としており、様々な制度やサービスの利用をしやすくするためのものです。

療育手帳を取得することによって、就労や教育を受けるにあたり様々な配慮や支援がなされたり、各種サービスや割引、給付を受けることができます。

地域差が大きいため実態が掴みにくい療育手帳ですが、ここで詳しく解説したいと思います。

療育手帳の制度について

療育手帳は、法律で定められた制度ではありません。
「療育手帳について」というガイドラインに基づいた制度なので、都道府県や政令指定都市ごとに要綱を制定しています。

地域ごとに受けられるサービスや給付、名称さえも異なります。
このため詳細については、お住いの自治体の福祉担当窓口に問い合わせることが必要です。

療育手帳の対象

療育手帳の対象となるのは、18歳未満の場合は児童相談所に、18歳以上の場合は知的障害者更生相談所において知的障害者と判断された人です。なおこれは、

・概ね18歳以前に知的機能障害が認められ持続している
・標準化された知的能力検査で知能指数が75(自治体によっては70)以下と測定された
・日常生活に支障が生じており、医療・福祉・教育・職業面で特別の援助が必要
以上の目安に基づいたものです。

療育手帳の区分と判定基準

知能検査による知的指数と日常生活の様子から、各自治体が各々の判断基準に基づいて、知的障害の重度を総合的に判断し、区分します。

障害の程度によって分けられた区分ごとに、受けられるサービスや適用範囲は異なります。
基本的には重度「A」とそれ以外の中軽度「B」に分けられますが、自治体によってはさらに細かく区分していたりと、等級の分け方は異なります。

年齢によっても判定項目は異なり、同じ度数でも異なった判定となることがあります。

療育手帳のメリット

保育園の入園にあたって優先順位が高くなったり、特別支援学校への入学さの際の証明書となることがあります。
また、就労の際は奨励金の支給対象となったり、障害者雇用枠での就職ができたりします。

他にも、公共交通機関の割引、障害者医療費の助成、災害時の支援や各種料金の割引や減免、施設のサービスや割引が受けられます。

給付や税の減免、控除に役立つといったメリットもあります。
税制上の優遇措置としては、所得税や住民税、相続税の控除、自動車税の減免や預貯金が非課税の対象となることが挙げられます。

手当の給付については、障害児福祉手当や特別児童扶養手当、特別障害者手当などがあります。

療育手帳の申請方法

療育手帳の申請にあたっては、自治体の福祉事務所や福祉担当窓口でもらえる、療育手帳交付申請書と写真、印鑑が必要な書類となります。
詳しい申請の流れは、自治体ごとに異なるので福祉担当窓口に問い合わせましょう。