文字は書けても日記や作文、手紙などを書くのを苦手とする子どもがいます。
もしお子さんにそんな傾向が見られたら、内容と書く順番を提示してあげることで問題解決するかもしれません。

ここでは、子どもの感じる困難について具体的に汲み取った上でできる対処法をご紹介します。

過去の出来事を思い出すことが困難と感じる場合

子どもが日記などを書く際、過去の出来事を思い出すこと自体を難しいと感じていることがあります。
もしお子さんにこの兆候が見られるなら、過去を振り返る手助けをしてあげましょう。

そこで後から振り返りたい出来事を、最初からビデオを撮影しておくという対処法がおすすめです。
ビデオが難しい場合は写真でも構いません。

その媒体を見ればすぐに過去の出来事を思い出すことができるので、過去を振り返ることを困難に感じる子どもにとって大きな手助けとなるでしょう。

もし撮影そのものが難しいという場合には、1日の詳細なスケジュールを紙に書いて一緒に振り返るという方法があります。
写真やビデオなどのようにすぐに思い出すことは難しいかもしれませんが、その日1日の出来事を詳細に文字にすることで、具体的に思い出すことができます。

また、一般的には感情が強く揺れ動いた出来事や運動をしたり活動的に何かに取り組んだことは思い出しやすいので、子どもにアクティブな体験をさせるのもおすすめです。

文章の書き方がわからない場合

どのような出来事を書くべきか思い出すことはできても、実際に鉛筆を持って紙に向き合うとどのように文章を書けば良いのかわからないという子どももいます。
文章を紡ぐ順番がわからず、構成立てることができずに困っているのかもしれません。

そこでできる対処法としては、文章作りの大まかな骨組みを子どもと一緒に考えることです。
まずは、文章にしたい出来事について、共に振り返ります。この時、振り返った出来事の内容を時系列に沿ってメモします。

次にそのメモを見ながら、「これは最初」「中間「最後」といったように、文章にする順番を決めていきます。
ここまでできたら、一番初めに書く文章を教えます。

ただし文章を丸ごと教えてしまうのではなく、書く内容について伝えるのがポイントです。

「誰とどこに行ったのかを書こう」と促すと、子どもはそれを自分の力で文章にしようと取り組むでしょう。

作文用紙の使い方がわからない場合

作文用紙には独特の取り決めがあり、それをうまく理解できないでいる子どももいます。
タイトルの前は空白のマスを3つ設けるなどの難解なルールは、覚えないとスムーズに書くことができないので、お手本となるシートを用意しましょう。

まず、作文用紙の作成ルールに従って例文を書きます。
そこに赤ペンで詳細に「名前の後は1マスあける」「句読点やカギカッコはマスの右上」など注意点を記入しましょう。

こうしてできたシートを作文の横に置くなどして、お手本を見ながら原稿を仕上げていけるように工夫するとスムーズにかけるようになるはずです。