会社や学校から帰ってきても何もする気が起きない…。何もしていないのに疲れた…。

発達障害のある人は、ほかの人よりも疲れやすいといわれています。

どうしてほかの人よりも、疲れやすいのでしょうか。

それは本人の体力の問題や気力の問題ではなく、発達障害特有の感覚器の鋭さや多動による活動量が多いためと考えられています。

今回は疲れやすさの原因についてみてみましょう。

発達障害の人は脳や心が疲弊している

ものの見方、感じ方がほかの人と異なるため神経をすり減らしている

発達障害の人は、情報を受け取る脳の機能がほかの人と異なっている。

想像力があまり働かないという理由で、集団の中でどのように対処すればよいか、わからず常に神経をすり減らしています。

そのためほかの人よりも、疲れやすくなってしまうのです。

特に、自閉症スペクトラム障害の方はこだわりが強く、ものごとを適当に済ますことができず、体力の限界まで頑張ってしまうこともあります。

また、本人が自分自身の疲弊に気付いていない場合もあり、食欲不振や睡眠障害などの体調不良につながる可能性もあります。      

これらは“脳”や“心”の疲れのため、どんなに体力があっても疲弊してしまうのです。

身体の体力とは、別のところにある疲れなのです。

感覚器が鋭すぎる

発達障害の人はほかの人よりも聴覚、視覚、嗅覚、皮膚感覚などの感覚器が敏感であることが分かってきました。

突然の物音に驚いたり、人よりも匂いに敏感であったりと周囲の人と感じかたが大きく異なるのです。

そのため、音や光などから強い刺激をうけ、それに耐え続けて疲れてしまう場合もあります。

これらの感覚を不快に思いながらも幼少期に親や先生などから「これぐらい我慢しなさい」などと言われたりしていると、

「我慢しなければならない」「自分だけがおかしいんだ」と思い込んでしまい、それがまた疲弊の原因になってしまうケースもあります。

多動性や衝動性のため活動量が多い

発達障害の中でもADHDの方は、特徴である多動性や衝動性のため、ほかの人よりも費やしているエネルギーの量が多いといわれています。

多動性というのはじっとしていられず、落ち着きがない特徴があります。

衝動性は、順番を待てなかったり、相手の話をさえぎって話してしまったりすることです。

これらの特徴を持つ方は、多動性や衝動性を抑えるためにエネルギーを使っていることもあるため、疲弊しやすい傾向にあります。

また、逆に自閉症スペクトラム障害の方は、ほかの人と異なると自覚していて、集団からはずれまいと外にいるときは四六時中緊張状態になっている人もいます。

これでは外に出ているとき、心が休まる時間がありません。

このようなほかの人と異なる身体感覚が疲れにつながってしまうのです。

脳がマインドマップ状態になっている

発達障害のある人は、インプットされた情報をうまく処理できないため、脳内は情報が処理されず散乱した状態になっています。

特に自閉症スペクトラム障害の方は脳内がマインドマップ(一つの事象によってもたらされる連想が視覚的・放射的に広がっていくこと)状態になっているといわれています。

視覚でとらえられた情報がほぼ連鎖的につながってしまい、考えを整理するのにとても時間がかかってしまいます。

そのため自分の意見をつくりだすのが難しく、 人から何か尋ねられた時にどう答えればいいかわからずパニックになってしまい、 疲弊してしまいます。

疲れにくくなるための、対処法ってあるの⁉

まずはめいっぱい頑張っている自分をほめる!

まずはこんなに疲れて頑張っている自分を、ほめてあげることから始めましょう。

「どうしてこれぐらいで疲れるのだろう。自分はダメだ」と考えるのではなく、「今日はここまでできた」など前向きに考えることで、自己肯定感を上げて脳や心を安定させることが大切です。

また、「もう疲れすぎて頑張れない」ではなく、「今は疲れているだけだから少し休んでまた頑張ろう」のように、考え方やとらえ方を変えてみることも有効になります。

脳や心の疲れを癒すのに最も大事なのが、自分の気持ちのケアです。

どの程度活動すると疲弊するか理解する

感覚が過敏で疲れやすさに気付かない場合もありますが、なんの作業をどのぐらいすると疲れるのか具体的に把握することが大事です。

自分の疲れに、いつも以上に敏感になってみることから始めてみましょう。

時間を決めて強制的に休む

仕事でも、勉強でも、決めた時間に休憩をとることもオススメです。大体1時間に1回、10分~15分休憩を無理やりにでもとってみましょう。

職場や学校での環境調整を依頼する

感覚過敏がある場合は職場や学校で環境を変えてもらう、器具の使用を認めてもらうなどの対処も必要になるかもしれません。

たとえば音に敏感なのであればヘッドホンの着用を認めてもらう。

一人になれる会議室や張り紙などをあまり張っていないシンプルな部屋で作業させてもらうなどが挙げられます。

そのほかの疲労が症状の病気について

発達障害が原因の疲労のほかに、疲労が症状として出る病気もあります。

実は下記の病気だったり、発達障害の人の疲労と併発したりと区別が難しく診断がおりにくいといいます。

また、健康診断で全く異常がなくても、以下の病気になっているケースもあります。

疲労が、症状として出る病気についてみてみましょう。

副腎疲労

ストレスで副腎(抗ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌している器官)が疲弊してくるとホルモンの分泌が悪くなり、ストレスを強く感じたり、鬱のような症状がでたり、ひどく疲れたりします。

ビタミンCなどのビタミンを摂取することによって、症状が緩和するケースもあります。

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群とは、寝てもひどい疲れが取れない状態が、6か月以上続く状態のことをいいます。

20代~50代にかけて多くみられ、風邪や熱が出た時のような病的なだるさが症状として現れることが特徴です。

主に免疫異常で体内のウイルスが活性化することが原因とされています。

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まとめ

発達障害のある人の疲れは、“身体”ではなく、発達障害の特徴の「多動性、衝動性」や「感覚の異常」が原因で起こる”脳“や”心“の疲れであり、体力がないから、気力がないから起こるものではないのです。

「これぐらいのことですぐに疲れる自分はダメだ」と自分を責めないことが大切です。

自分自身でケアをすることが、脳や心の疲れを癒すことにつながります。

また、副腎疲労など、発達障害の疲れと似たような症状を持つ病気もあるので、そちらも疑ってみることも大切です。