今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害運動療法」についてです。

発達障害における運動療法とはどういったものなのでしょうか?

  • 辛く苦しい訓練を強いられるものではないのだろうか?
  • 危険なことはないのだろうか?
  • 誰でもできることなのだろうか?
  • 本当に効果があるものなのか?  など

様々に不安や疑問を抱くことがあるかも知れませんが、運動療法とはどんなものなのか、ここではその概要を確認して、不安と疑問を解消して行きましょう。

発達障害の運動療法とは?

そもそも、発達障害における運動療法とは、どのようなものなのでしょうか?

それは、発達障害が持つ体の動きをコントロールするバランスの悪さ・不器用さを、運動や動作を通して改善して行くことです。

主には、器具や道具を使った遊びやゲームのようなことを通して、楽しみながら飽きさせないように、目的とする動作を取り入れて、改善、強化、安定化させて行くものです。

スモールステップが大切!

不器用さはそれぞれ

発達障害には程度の差はありますが、DCD (Developmental Coordination Disorder) = 発達性協調運動障害 を含んでいる場合が多々あります。

その場合、脳が体をコントロールする指令が上手く伝わらなかったり、感覚が未熟だったりするので、思った通りに体を動かせなかったり、バランスを崩しやすかったりします。

  • キャッチボールができない
  • スキップができない
  • 片足飛び=ケンケンができない
  • サッカーやバスケットボールのドリブルができない
  • 上手く走れない
  • 階段を怖がったり、エスカレーターに乗れない  など

一人ひとり不器用さの種類や度合いと習熟の程度や速度は異なるので、個人ごとに見合った段階ごとの療育の進め方が重要になります。

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浩二
下記にDCDをトピックにした記事がありますので、よければ併せてご覧下さい。

苦手と原因を明確にする

何ができて何ができないのか、得意・不得意を明確にします。そしてその上で、できない原因を分析します。

  • 筋力や体力が足りないのか?
  • 体のコントロールができないのか?
  • 動作の組立てができないのか?
  • 集中力が保てないのか?  など

分析結果から、訓練項目のメニューを組み立てます。「できない」から「できる」までをつなぐ「段階」を構築すること、それがステップです。

ステップ設定のさじ加減

スモール・ステップや、ベイビー・ステップとも言われますが、習熟度合いに応じた段階=ステップの設定が重要になります。ステップの設定とは難易度の設定で、そのさじ加減が重要になります。

簡単過ぎて、すぐに飽きてしまうようではいけないですし、難し過ぎてチャレンジしたいというヤル気が無くなってしまってもいけません。

興味とヤル気を維持できる、ステップごとの難易度の上げ幅や、ステップアップのスピードなどを対象者ごとに検討し調整し最適化する必要があるのです。

方法は遊びを用いて

自然に気を引かせる

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静江
発達障害は、なかなか言うことを聞いてくれなかったりしますよね?
  • 耳では聞こえているけれど、注意を向けて聞いていない。
  • 返事はするけど、実行ができない。
  • やる途中で他のものに注意を奪われる。
  • 物音や光などが気になって集中できない。  など

そこで、アプローチは遊びやゲームのスタイルを用います

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浩二
これによって、自然に興味を持って注意と意識を向けてくれるようにできます

ルールや意図を織り交ぜる

遊びやゲームにはルール=決まりがありますから、遊びながら自然にルールを覚えて守る訓練になったり、我慢することに慣れたり、動作の順番を組立てる能力を磨いたりと、様々な訓練したい項目を入れ込むことができます。

強制的にではなく、楽しむ中にルールがあることを認識させることができるのです。

モチベーション維持は褒めること

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浩二
やはり基本は「褒めて伸ばす」ことです。障害の有無は関係ありません。
  • うまいね、できそうだね
  • もう少し、もう一回
  • できた!よくやった!
  • よかったね、次はもっとできる

「できない」を「できる」にするのは、「小さなできた」の獲得=達成感とその拡張=ステップアップの連続です。その延長線上に最終ゴールもあるのです。

発達障害は発達できないのではなく、発達の獲得に時間と根気が人一倍必要なだけなのです。

コミュニケーションを図る中に、表情なども伺いつつ、互いの意図をくみ取って、意識を合わせるなど、とても大切な要素が集約しています。

ステップ設定のさじ加減とも通じますが、ギリギリに挑戦してみて達成できた達成感や自己肯定感を持たせて、「もっとやりたい」という更なるステップへのチャレンジ精神につなげるのが、モチベーション維持のコツと言えるでしょう。

相談窓口の紹介

子育て支援センター

子育て支援センターは、厚生労働省の通達に基づいて、市町村が主体となって指定または委託により運営されている施設です。

文字通り、地域の子育て家庭の育児に関する全般的な支援を行っています。

連絡・相談は、各自治体のホームページや窓口から調べることができます。

児童相談所

児童相談所は、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関で、 すべての都道府県および政令指定都市には、最低1ヵ所以上の児童相談所が設置されています。

また電話番号の189番(いちはやく)は、児童相談所の緊急通報用全国共通ダイヤルに設定されており、24時間365日、児童虐待や子育ての相談を受け付けています。

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、速やかに警察、市町村、福祉事務所または児童相談所のいずれかに通告するようになっています。

発達障害情報・支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。

保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、さまざまな相談に応じ、指導と助言を行っています。

ただし、各センターの事業内容には地域性がありますので、詳しくは地域の発達障害者支援センターにお問い合わせください。

放課後デイサービスという選択肢

神奈川県横浜市の放課後等デイサービスアレッタWEBサイトへ

放課後デイサービス アレッタは横浜市を拠点とし、子どもたちの自立や健全な育成のために、障害児と保護者をサポートしています。

「自分の意思で行動する子」を育てようと、指導員はキッカケを与える助け手として接しながら、子供たち自らが選択し、学べる環境を提供しています。

「自分でできる」という自信を持たせ、将来に安心して暮らすことができるようになるための、創意工夫を込めたお手伝いをしていますので、是非上記リンクよりご覧ください。

まとめ

発達障害に多く伴う発達性協調運動障害を改善し克服するのには、運動療法はとても良い効果をもたらしてくれます。

素直に言うことを聞いてくれない癖を持つ発達障害でも、遊びやゲームのスタイルからアプローチすることによって、自然と興味や関心を持たせることができます。

苦手で出来ないことから、できない原因を分析すれば、できるようになるまでの道筋をステップとして構築できます。

それを遊びに組み込めば、身体的能力やコミュニケーション能力など、獲得させたい能力や、そのためにさせたい動作なども意図的、効果的に訓練することができます。

褒めて伸ばす方法で、達成感や自己肯定感=自信を持たせることができ、チャレンジ精神などの精神面のスキルアップも図ることができますし、継続のモチベーションを保つことができます。

遊びを通した運動療法を活用して、楽しく療育してみませんか?