兄弟でダウン症になる確率

兄弟でダウン症になる確率は、極めて低いとされています。
ダウン症が親から遺伝する確率が全体の2%ほどであることを考えると、兄弟で染色体異常由来のダウン症になる確率もそれほど高いものではありません。

ダウン症の再発率は、母親が保因者の場合10%ほど、父親が保因者の場合は2~5%ほどです。
高齢出産の場合、ダウン症の子どもの出産率はこれより高くなります。
母親が45歳以上の場合、染色体に異常が見られなくても1/30の確率でダウン症児が生まれます。

第2子出産時の方が母親の年齢が高くなることを考慮すると、ダウン症児が生まれる確率はより高くなるでしょう。
両親の染色体異常の確認をすることで、親に転座染色体があるかどうか調べることも可能です。

出生前にダウン症を検査する方法は?

胎児の段階でダウン症かどうかを調べる方法は、複数あります。

そのうち最も初期に発覚するのは、妊娠10~15週頃に行う超音波検査です。
首の付け根(NT)などに特徴が表れていないかを確認することで判明します。

他にも、希望すれば受けることの可能な検査が4種類あります。

このうち、羊水検査と絨毛検査は確定診断として使われる検査です。
血液マーカーテストなど、他の非確定的検査によって陽性が出た場合、このうちどちらかの確定診断を受ける場合がほとんどです。

母体血清マーカーテスト

母体の血液中のホルモンやタンパク質を調べる検査です。
成分濃度によって、胎児の染色体異常の有無が判明します。

母体へのリスクはなく、妊娠15~21週で検査を受けることができます。
費用は2~3万円と比較的安価ではありますが、確実性はそれほど高くありません。

羊水検査

腹部に注射器を刺して羊水を採取して行う検査方法です。
確実性は99%以上で、ダウン症の確定診断として使われます。
ただ、注射器を腹部に刺すことによる流産リスクが0.3%ほどあります。
妊娠15~18週に受けられる検査で、費用は10万円ほどです。

絨毛検査

腹部に針を刺し、胎盤になる前の組織を採取して行う検査です。
羊水検査と同じく流産のリスクがあります。

妊娠9~14週の、比較的早期の段階で検査をすることができるため、検査の精度が高いのが特徴です。
費用は10~20万円程度です。

新型出生前診断

母体の血液を採取して、赤ちゃんの染色体に異常が見られるかどうかを調べる診断です。
羊水検査や絨毛検査のような流産のリスクはほとんどなく、母体血清マーカーテストよりも確実性の高い検査方法です。
妊娠10~18週頃に受けることが可能と、検査可能期間が長いのがメリットです。
費用は保険適用外の自由診療となるため、20万円程度です。

総括

ダウン症の原因は主に染色体異常で、偶然発症することがほとんどです。
しかし、「転座型」の場合のみ、遺伝の可能性が考えられます。
新型出生前診断などによって、出生前にダウン症を診断できる機会もありますが、生まれる前に必ずダウン症を発見できるというわけではありません。
もし受ける場合は、家族とよく話し合って決断すべきでしょう。