見る力の検査

子供の視覚認知を評価するために開発されたテストには視覚能力評価テスト、「見る力」理解力テスト、未就学視覚運動評価、K-ABC検査、視知覚スキル検査、運動除外視覚認知テストなどがあります。

これらは視覚認知を評価するためだけでなく、自閉症スペクトラム症やADHDなどの発達障害のある子どもたちの特性を把握するときにも使われます。
テストごとに対象となる年齢は異なりますが、中には2歳から受けることができるものもあります。

検査を受けられる場所

見る力の検査は、視覚機能のトレーニングセンターや視覚発達支援センターで受けることができます。
他に、眼鏡屋に見る力の専門家がいて検査してもらうことができる場合もあります。

見る力の検査だけでなく発達検査や知能検査を受けたい場合は、公的病院や民間病院で検査を受けることが可能です。
精神科や臨床心理士によって検査が受けられる病院を選んで受診しましょう。

また、児童発達支援センターにおいてこれらの検査を受けることもできます。
ただし予約をしてからしばらくかかって検査をすることになるケースがほとんどなので、急ぎの場合は注意しましょう。

視空間認知能力は鍛えられるのか

視空間認知能力はもちろんのこと、見る力全般はトレーニングで鍛えることができます。
その方法をご紹介します。

ビジョントレーニング

見る力の弱さを克服するためよく用いられるのがビジョントレーニングです。
ビジョントレーニングは、見る力を高めるための訓練のことです。
このトレーニングは、スポーツ選手をはじめとする大人にも用いられることがあります。

ビジョントレーニングを行う専門家は、視覚訓練士というプロと発達臨床心理士、発達支援員など発達に関する専門家の2種類に分けることができます。
前者はスポーツ選手や大人を対象としていることが多く、後者は他の発達で課題となる領域と合わせて行われます。

専門家が行う場合、検査を行うことから始まり、視力、眼球運動、視空間認知、目と体のチームワークのどこに課題があるのか把握し、個人の課題に合わせたトレーニングが課せられます。
見る力の弱さの原因を分析したりプログラムを組みたい場合は専門家に相談することが望ましいでしょう。

家庭でできるビジョントレーニング

ビジョントレーニングには、自宅や学校で手軽に行うことのできるものもあります。
専門家にかかるとまとまった時間をとらなくてはなりませんが、家で行う場合はおやつの時間や隙間時間などに気軽に取り組むことができます。

現在ではビジョントレーニングに関する本が数多く出版されているので、それらを参考に行うのがおすすめです。
チェックシートが付録としてついている場合もあり、課題のある分野をある程度絞ることもできます。

トレーニングは継続して日常的に続けることが望ましく、推奨時間は3~15分ほどです。

注意点

課題にあった適切なトレーニングを行うために、見る力のうちどこに弱さがあるのかを把握してから取り掛かりましょう。
また、ビジョントレーニングを行う前に目に異常がないか、視力は適正であるか確認をすべきです。
視力に問題がある場合、トレーニングをしても適切に効果が出ないことがあります。
心配がある場合は眼科にかかりましょう。