知的障害とは

知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害によって認知能力の発達が全般的に遅れている状態のことを指します。
学習障害と混同されがちですが、学習障害は知能発達に遅れが見られません。

知的障害の診断は、「知的機能(IQ)」の数値と、日常生活能力や社会生活能力、社会的適応性の能力を測る「適応機能」の指数を基準にしています。

知的機能は知能検査によって測られるもので、厚生労働省によって、知能指数70以下を低下と定義されています。
IQの数値によって重度・中等度・軽度に分類し、重い運動機能障害を伴った重度知的障害のことを重症心身障害とすることもあります。

適応機能は、厚生労働省によって年長となって社会生活を営む上で必要となる要素と定義されています。
日常生活でその人に期待される欲求をいかに効率よく適切に対処し、自立しているかを表します。
食事の準備や対人関係、お金の管理なども含まれます。

知的障害の程度別の特徴や症状

医療機関や地域によって異なるものの、知的障害は一般的に「知的機能」と「適応機能」の評価によって「最重度」「重度」「中度」「軽度」の4つの等級に分類されます。

軽度知的障害

IQが50〜70程度の場合に診断されるのが軽度知的障害です。
日常生活で必要となるスキルには問題が見られません。

ただ、言語の発達が遅滞していて、18歳以上でも小学生レベルの学力にとどまることがほとんどです。
軽度知的障害には、

・基本的な生活習慣は確立しており、服の着脱ができ清潔な状態に保てる
・簡易な文章なら理解や意思表示が可能
・漢字の習得が難しい
・集団生活や人とのコミュニケーションは可能

などの特徴が見られます。

中度知的障害

IQが35〜50程度の知的障害が中度知的障害と分類されます。
言語発達や運動能力の遅れが見られます。
身辺自立を全てこなすことは困難ですが、部分的に可能です。

中度知的障害には、

・指示があった場合には衣類の着脱ができるが、状況に応じた選択や調整は困難
・入浴時に自分の身体を洗うことはできるが、プライベートゾーンなどに洗い残しがある
・計算が苦手
・慣れない場所での移動や交通機関の利用は困難
・ひらがなでの読み書きはある程度可能

などの特徴が見られます。

重度知的障害

IQが20〜35程度の知的障害が重度知的障害と分類されます。
言語や運動機能の発達が遅いのが特徴で、学習面ではひらがなの読み書きまでに留まります。
情緒の発達が未熟で衣食住には保護や介助を必要とし、身の回りのことを一人で行うのは困難です。

重度知的障害には、

・簡単な挨拶や受け答え以外のコミュニケーションが難しい
・着替えや入浴、食事などに補助を必要とする
・体の汚れや衣服の乱れを気にしない
・一人の移動が難しい

などの特徴が見られます。

最重度知的障害

IQが20以下の知的障害は、最重度知的障害に分類されます。
言葉は発達せず、叫び声を出す程度に留まります。
身の回りの処理ができず、親を認識することが困難な場合もあります。
しかし、訓練によって簡単な単語を発することができる可能性もあります。

最重度知的障害には、

・身振りや簡単な単語で意思表示をしようとすることもあるが、基本的に言葉がない
・食事をする際には見張りや介助が必要
・便意を伝えることができない
・衣服の着脱ができない

などの特徴が見られます。